PEKOのひとり飲み

身辺雑記。心に移りゆくよしなしごとを飲みながら書いています。

蜜柑とユウウツ〜茨木のり子異聞@東京芸術劇場

初めて来た❗️東京芸術劇場
今まで来なかったことが悔やまれる〜さすが、首都東京の文化施設は充実していますね(^_^*)
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副都心線東横線とつながり、池袋が近くなりました。何と、地下鉄出口から直接劇場につながっているので、雨に濡れることもなく、地下の小劇場シアターイーストに到着。
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何故か入り口にガードマンがいらっしゃったのですが、写真撮影に便宜を図ってくださいました。

演目は『蜜柑とユウウツ〜茨木のり子異聞』。
詩人 茨木のり子さんの伝記です。
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生真面目でまっすぐな印象の茨木のり子さんをどう描くのか、興味津々。
主演は松金よね子さん。大好きな木野花さんも出ています。

そういえば若い頃、木野花さんが中心となって活動していた、全員女性の劇団青い鳥が好きで、よく観に行きました。(美しかった役者さんたち、今はどうしているかしら?)

今日は楽日。満席。通路に補助席まで出ていました。前売り券は昼の回はあっという間に売切れたとか。客層の8割〜9割が中高年女性か?男性は業界関係者か?という感じ。

幕開けは、のり子さんの死後。甥が編集者とともにのり子さんの遺稿を探しに来るところから始まる。「出がらし」と言われていた、のり子さんの魂(松金よね子)が、同じく死後の世界からやって来た2人の同名の分身(紀子、典子)とともに、戦後ののり子の人生を語るというもの。

敗戦まで言論弾圧により、封じ込められていた表現の自由。表現の方法を模索していた現代詩人たちの中で、女性の先駆者として、軍国少女の優等生だったのり子が、詩を書くことを仕事にし始める。
川崎洋と同人誌『櫂』を創刊し、谷川俊太郎を同人に勧誘して断られる場面で、黄色いシャツを着て、一匹狼を気取る谷川。

その様子が、マスコミで拝見するご本人のイメージと随分違いましたが、お若い頃はこんな風だったのかな?と想像したり、木野花演じるヨウコ(佐野洋子さん?)の奔放な感じが素敵だったり…あっという間に前半終了。

10分間の休憩をはさんで後半は、60年安保のデモのシーンから。
思えば、1960年6月15日は、日米安全保障条約改定反対闘争のデモに行った東大生、樺美智子さんが機動隊に殺された日。

劇中、「このデモに行った人達は、戦争で死んだ人の末の弟くらいの年だろうか?」(はっきりと覚えていませんが…)というような台詞がありましたが、その両者とも、現在は70代半ば以上(旅立たれた方も多数)であることを思いました。

忌まわしい戦争の記憶が、一般国民のみならず国会議員の間でも急速に風化し、今国会で多くの学者が憲法違反であるとする法案が、まさに決定されようとしているーーこの由々しき事態❗️

劇中、のり子さんの詩の群読がいくつか挿入されていました。

よく知られている『倚りかからず』を紹介しておきます。

もはや
できあいの思想には倚りかかりたくない
もはや
できあいの宗教には倚りかかりたくない
もはや
できあいの学問には倚りかかりたくない
もはや
いかなる権威にも倚りかかりたくはない
ながく生きて
心底学んだのはそれぐらい
じぶんの耳目
じぶんの二本足のみで立っていて
なに不都合なことやある

倚りかかるとすれば
それは椅子の背もたれだけ

(…強い人だなあ(o_o))
 
ロビーでは童話屋の詩集の物販もあり、一冊買いました。『倚りかからず』も入っています。

女がひとり頬杖をついて

劇の後半で、夫の亡くなった年に漬けた、31年物の梅酒🍶を、3人のノリコ(のり子、紀子、典子)が飲む場面は、ホントに美味しそうでした。


で、劇場内にあるベルギービールのカフェ、 BERG AUBEで終演後に一杯🍺
Pauwel Kwak。度数8%のアンバーエール。
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このビールの醸造所と宿屋を営んでいたKwak氏は馬車の乗員や乗客が、馬車に乗りながら飲めるグラスとしてこの素敵なグラスを考案なさったとか。

良い芝居を観た後、美味しいビール🍺に酔いしれる…至福のひととき💛